真後ろから掴まれた俺は、校舎の物陰に倒れた。
「大丈夫?」
小さく、囁くように気の弱そうな男の声が聞こえた。
「うるせーな、今は黙っとけ!お喋りはあとだ!」
今度は、気の強そうな女の声が聞こえた。気の強そうだが、男の声と同じく、声を小さくしてる。
「あのやろー、ブラフが自分の事を神だって知らないからって不意打ち狙ってきやがった。汚い奴らだ」
神?ブラフ?何のことかさっぱり分からない。
「あの~」
「うるせぇ!」
「ちょっとシヴァ、そんな荒いしゃべり方はよしたほうがいいって・・・」
「あぁ!?文句あんのか?」
「すみません」
・・・なにがなんだか。
シヴァと呼ばれた娘は何処にあったのか、金色の棒を取り出した。
「ヴィシュ!しっかり結界はっとけよ!」
「分かった!」
「ウォリャー!」
金色の棒を持って、駆け出すシヴァ。
「ゴメンね、倒したりして。」
ヴィシュと呼ばれた人が、謝る。
「僕はヴィシュヌ、彼女はシヴァ。維持神と破壊神なんだ。」
「はぁ・・・」
俺の頭の中で、何が起こっているんだろう。きっと、俺は病気だ。
「君はブラフマー、創造神。あのお腹の大きな裸の奴はベータラっていう餓鬼で、まわりのゾンビは正真正銘の死体。」
混乱して、何がなんだか分からなくなってきた。
ときおり、バコ!とかバキ!とか、ガン!とか鈍い音が聞こえる。
ヴィシュヌは、話続ける。
「君は、僕らと一緒に世界を救いに下界に降りたんだ。」
ファンタジー漫画みたいなことを言われ、もうなんとリアクションすればいいのか分からない。
そして、意識が遠のいていく・・・
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